にしんの背肉だけをとって乾燥させた身欠きにしんを、山椒の芽が芽吹く5月に山椒の新芽とともに漬けたものが、会津では「にしんの山椒漬け」として食べられています。身欠きにしんは、江戸時代初期から新潟港を経て会津に運ばれました。厳しい冬を乗り越えるための保存食、そして山国会津の貴重なたんぱく源として、会津の人々が海の幸をじょうずに活用したものがこの料理。山椒の特性を利用し腐敗を防ぎ、にしんの生臭さを取り除き、味のアクセントを付けるという、先人の知恵には驚かされます。
伝統陶芸品「会津本郷焼」で、にしんを漬けるため専用の「にしん鉢」が作られているほど、会津では愛されています。